かねてから情報が漏れ聞こえておりました「LINE公式アカウント」と「LINE@」の統合と、料金体系や提供機能に関するリニューアルについて正式な発表がございました。
私たちは、今回のリニューアルは、LINE運用のありかたに大きな影響を与えると思っています。
特に、全ユーザーへの一斉PUSHメッセージを中心に運用されている企業様においては、これまで以上に費用対効果を意識した運用を心がける必要が出てくると思っております。
そこで、新プランでの運用時のポイントをご紹介させていただきます。



やみくもな一斉メッセージはできなくなる!
まず、今回のリニューアルによりPUSH型のメッセージは、月額のお申し込みプランに応じて利用回数に事実上制限がかかります。
LINE@では今まで、リッチメッセージを含むPUSH型のメッセージは、いくら配信しても追加料金はかかりませんでしたが、今後は、月額プランごとに設定されたメッセージ通数を越えると、以後従量制で課金となります。
例えば、現在ベーシックプラン(月額5,000円)で運用しているアカウントから、毎日有効お友だち1,000人にメッセージを送っているとすると、
1,000 × 30日 = 30,000通
となりますが、
新プランでは、このうちの15,000通は、従量課金の対象となります。
そして、その追加費用は、
15,000 × メッセージ@5円 = 45,000円
となります。
ということは、月額費用が5,000円だったものが、同じ運用を続けると、なんとコスト10倍の50,000円に!
単純にコストの上昇だけをみれば、このような運用を継続する企業は大きく減っていきそうですね。
APIを利用したPUSH配信は、実質値下げ!
一方で、メッセージ通数の値上がりばかりが話題になりがちですが、API型のPUSH配信が標準機能に追加されることで、最安プラン(月額5,000円)からでも利用できるようになります。
これまでは、LINE@では、月額30,000円の「プロAPIプラン」に申し込む必要がありましたので、それを考えると、25,000円ものマークダウンとなります。
ここでAPI型のPUSHメッセージについて簡単に解説しますと、こちらはLINE@ManagerというLINE社が提供している管理画面で送るPUSHメッセージではなく、外部のMAツールやチャットボットなどを使ってメッセージを配信する仕組みで、弊社も含めて100社以上のサービスが提供されています。
共通する特徴としては、お友だち全員ではなく、特定の顧客グループ(セグメント)や特定ユーザーひとりに向けたメッセージの配信ができる点が大きな強みです。
例えば、前回LINE@を見てくれた日から、15日以上見てくれていないお友だちだけにメッセージを送信するといったことも可能になりますので、来訪促進や来店促進を目的にLINE@を運用している企業の場合は、使い勝手がいろいろと工夫できるメッセージ方法です。
つまり一斉配信とは違い、売上や来店に繋がりそうなユーザーを絞ってメッセージを発信することが可能なので、今回の料金体系のリニューアル後でも、コスト的に優しい運用が実現できますね。
ユーザーへの返信メッセージには、通数の制限なし!
LINE社が提供するAPIには、先ほどのPUSHメッセージとは別に、Replyメッセージというものも用意されています。
こちらは、ユーザーがLINEのトークに話しかけた際に返信するメッセージになります。
実際にヒトが返信もあれば、BOTなどが返信する場合もありと思います。
こちらのReplyメッセージは、これまでとかわらず返信通数の制限はありません。
多くのユーザーに話しかけてもらうことは、ビジネス的にはありがたいことですが、人的な対応では返信しきれなかったり、ユーザーと企業間のやり取りを定型化できる場合には、チャットボットなどを使った自動応答が効率的でしょう。
今回のLINEの料金体系リニューアルでは、このReplyメッセージをいかに企業が賢く運用するかというのも、運用効果を上げるために必須だと考えています。
そもそも、ユーザーにトーク上で話しかけてもらう(その多くは質問やお問い合わせ)には、LINE@をホームページ同様にユーザーの疑問や関心に対する答えを用意しておく必要があります。そのためには、自社の顧客ジャーニーに沿ったLINE@上のメニュー設計など、ホームページの構築同様の創意工夫が必要になります。
今後は、LINE上をオウンドメディアのように運用するケースなども増えてくるのではないでしょうか。
おまけ
ちなみに、LINEのトークページの下部に表示できるリッチメニューですが、APIを利用したメッセージを行う場合には、高さを半分にしたサイズを利用することが可能になります。
さらに、それにとどまらず、利用者ごとに表示されるメニューを変えることも可能です。
性別や年齢に応じた表示わけもそうですが、
・友だち登録直後:Aメニュー
・カタログページ閲覧後:Bメニュー
・商品お買い上げ後:Cメニュー
といったような表示わけも実現可能です。
今回のLINE料金体系のリニューアルについて、一部の業界では、
「LINE運用をやめようかな。。。」といった反応もあると聞いています。
率直な意見を申し上げると、今後もLINEの一斉配信だけを行うつもりなら、そのアカウントはやめてしまったほうがいいと思います。
というのも、そのコストに見合った運用は、弊社の運用サポート経験上極めて難しいと感じるからです。
ただ、値上げ部分だけに着目せず、俯瞰的に今回のリニューアルを眺めてみましょう。
そこには、多くのチャンスが広がっていると思います。
そのチャンスをモノにできるかどうかのキーワードは、「顧客目線」ではないでしょうか。
LINEを通じて顧客に良質な「気づき」を提供し、自社のビジネスを成長させていけるかどうかは、みなさんのアイデアと努力にかかっていると思います。
機会があれば、私たちにもそのお手伝いをさせてください^^