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チャットボットの選び方について

先日とある団体からセミナー講演の依頼を頂きまして、登壇させて頂いた際、参加者の方からご質問を頂きました。それをきっかけに自分なりにも整理してみようかなと思いたち、「チャットボットの選びかた」について私なりの意見を述べさせていただきます。

と、そのお話の前に、チャットボットベンダーは国内だけでも200社くらいあるんじゃないかと思っています。
CoMSBは、開発当初からコンシェルジュ(https://www.conciergeu.com)と連携させていただき、事業を展開しております。

私のセミナーにご参加するかたは、マーケティング担当の方が中心でいらっしゃるので、これまではツールそのものよりもツールを踏まえた運用方法を通じていかに成果をあげるか?について講演させていただいていまして、あまりチャットボット自体のご質問は頂いていませんでした。ただ、今回は情報システム系の方が参加されていたので、このような質問をいただいたのかなって思っています。

また、大前提ながら、私たちはコンシェルジュという自前のチャットボットを利用していますので、チャットボット業界自体を見渡してフラットに性能比較するような講演もしていなかったんですね。

でも、どのツールを選べばいいのかってのは、最初の疑問ような気がしますし、実際のシステムの運用者とはならず、ベンダー選定中心に行う部門のかたなどにとっては、チャットボットについて俯瞰的に知りたい情報だと思いますので、私なりの考えを述べてみたいと思います。

いったい、どのチャットボットがいいのか?

たった一言で答えるならば、

「目的によります。」という回答になってしまいます。

ここから少し例示で補足させていただきますと、
企業のWebなどにあるようなFAQやコールセンター業務の効率化が目的というケースでは、「顧客の発言に対応する受動的な応答力」のみが求められると思います。

これは世にあるチャットボットであれば、だいたいどのツールでも基本的に叶えられる機能だと考えています。(正直なところ、ここは似たり寄ったりです。)

顧客から取得した情報や、自社の顧客データベースと連携してよりパーソナルな回答を返すというのは、この受動的な利用方法の拡張性として選択条件になると思います。あとは、どういったレベルまでパーソナライズしたいのかなど、その要求レベルに応じて、ツールを絞り込んで行けば良いと思います。
(具体名を挙げた比較については、各社の資料などを取り寄せ、みなさまの視点で比較されるとよいと思います。)

中には、外部の顧客データとの連携機能が基本機能に含まれていたり、チャットボットが単独で取得した情報に応じてパーソナライズするのはもちろん、自社のDBにある情報と組み合わせて、情報を配信するものもあります。また、開発フェーズごとにチャットボットの乗り換えをしたくなければ、LINEやSlackなど複数のプラットフォームに対応する汎用性や拡張性の高さもポイントになるでしょう。

それから、忘れちゃいけないのが、この用途では自然言語処理(一般にはこれをAIと言う人もいますが)についても、一定の性能が担保されていると良いと思います。ただ、私自身は、顧客が明確な意図を持って質問をしてくるケースは稀で、FAQしかり、質問の選択肢を企業側で提示してあげる方が、顧客に気づきを与え、同時に自己解決も促せるものと思っています。

そして日本語の自然言語処理自体は、進化は見せているものの、お客さまに情報伝達のストレスを感じさせないものとは言えず、実用レベルでは不満も多くなりがちで、まだまだ発展途上にあると思っています。

 

一方で、私たちがよくご指名を頂くのは、もう一つの目的、
メルマガ等にかわる、企業から顧客への能動的な情報発信が目的というケースです。

こちらは、企業のWebなどへのプラグインではなく、LINE等のメッセンジャーアプリと組み合わせて導入するケースが多い分野になります。

こちらについては、いわばPush型のマーケティングとしての利用になりますので、ユーザーと持続的な関係性を維持し、企業が発信する情報を常に読んでくれるような距離にお客さまを置いておく必要があります。例えば、LINEで顧客にブロックされたというのはよく聞く業界話ですが、これは、顧客が、企業からの発信する情報の圏外に移動したということなので、そうならないような機能を提供できることがチャットボットにも求められます。

と、ここで、
Push型でメッセージを送るのにチャットボットって必要なの?という疑問を持った人もいらっしゃると思います。

一般的には、チャットボットを使わないメッセージ送信に特化されたツールも提供されていますが、メッセンジャーを使って顧客に情報を届ける場合、ユーザーのリアクションを期待できるという点がメールより格段に優れています。Pushでユーザーとの会話のきっかけを生み出し、ユーザーの関心に沿ってコンバージョンポイントへと対話型で誘導する。これが私たちの運用の基本になっています。

また、メッセージを一方通行にしないために、送信する情報にも顧客側の関心に沿った選択肢を用意することが望ましいと考えています。いじょうのことから、私たちは、Push型マーケティングにおいてもチャットボットを積極活用することを推奨しています。

もちろん、ここでもメッセージ内容のパーソナライジングは必要になります。みなさまお察しの通り、顧客全員に同じメッセージを送信しながら、顧客と良好な関係性を持続するのは困難だからです。

ただ、よく見受けるケースは、システム上ではパーソナライジング可能な状態にありながら、個々の顧客に対応した話題やコンテンツ自体を企業が有していないため、結局似たり寄ったりな情報配信となること。せっかくのパーソナラズ性能が宝の持ち腐れのような状態になりやすいという事実も業界全体の課題であるかと思います。

これらを解消する方法のひとつとしては、セールスフォースのようなツールと組み合わせて顧客データと連携したシステム運用をすれば、最適なセールス情報を最適なタイミングで届けるといったことは可能だと思います。

とはいえ、やはり売り込み情報だけでは、企業と顧客が持続的につながることは難しいと私は思っています。

手前味噌で恐縮ですが、そういった課題に向き合って開発してきたのがCoMSBですし、チャットボットの有用性をより高めるために日々進化に邁進しています。

そして、Push型のマーケティングにおいては自然言語処理は、さほど必要ではないいうことも経験上付けくわえさせていただきます。と言いますのは、企業が顧客に期待する行動(クリックや購買など)があるならば、それを選択肢として提示することの方がマーケティング上は得策であり、顧客に質問や要望を考えさせること自体が運用の目的から遠いところにある考えるからです。

 

以上、まとめさせていただくと、

・チャットボットは、目的に応じて選ぼう。

・セグメンテーションやパーソナライズは、コミュニケションの最適化には必要
(開発フェーズや予算に合わせて最低限のものを選ぼう)

・自然言語処理には、商用レベルとしては改善の余地が大きい
(でも、伸びしろはきっと大きい)

・自然言語処理がなくても、顧客に期待する行動がわかっているならば、選択肢型のシナリオでも十分な運用成果を挙げられる。

上記は、私たちが日頃、企業様のLINE運用をサポートさせていただいているなかでの見解にすぎません。みなさまの参考になったり、社内での議論や評論のネタのひとつにでもになれば幸いだと思って書かせていただきました。

 

CoMSB開発チーム 執筆者:青木